映画「荒野の用心棒」銃と音楽とあらすじの紹介

f:id:Lepetitsoldat:20190910214446j:plain黒澤明の傑作時代劇「用心棒」を無冠の帝王セルジオ・レオーネ監督が(非公式に)リメイクしたイタリア製西部劇。当時は落ち目のテレビ俳優だったクリント・イーストウッドを一躍スターダムに押し上げ、後のマカロニ・ウエスタンブームの火付け役となった記念碑的作品。

 

 

映画「荒野の用心棒」の作品情報

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©株式会社黒澤プロダクション/©1964 UNIDIS S.A.R.I

原題:(伊) Per un Pugno di Dollari、(英) A Fistful of Dollars

監督:セルジオ・レオーネ

出演:クリント・イーストウッド、ジャン・マリア・ヴォロンテ

音楽:エンニオ・モリコーネ

製作国:イタリア

製作年:1964年

上映時間:100分(完全版)

 

映画「荒野の用心棒」の簡単なあらすじ

西部開拓時代のアメリカ、国境沿いの小さな町サン・ミゲルではロホス兄弟率いるギャング団とバクスター保安官の勢力が敵対し、町の覇権を争っていた。儲かるのは棺桶屋だけのこの町に現れた一人の流れ者のガンマン(クリント・イーストウッド)。彼は町を蝕む二大勢力を一掃しようと計画し、言葉巧みに対立を煽り共倒れさせようとするのだったが.....

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映画「荒野の用心棒」の主要登場人物の紹介

名無しの男(クリント・イーストウッド)

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©株式会社黒澤プロダクション/©1964 UNIDIS S.A.R.I

物語の主人公である流れ者のガンマン。早撃ちの名人であり、何事にも動じない強い意志を持つ。不幸な女を見ると放っておけない性格。

ラモン・ロホ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)

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©株式会社黒澤プロダクション/©1964 UNIDIS S.A.R.I

町を牛耳るドン・ミゲルの息子。ライフルの名手であり、目的のためには手段を選ばない極悪非道な男。

シルバニト(ホセ・カルヴォ)

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©株式会社黒澤プロダクション/©1964 UNIDIS S.A.R.I

何かと主人公を助けてくれる気のいい酒場のおやじ。見た目とは裏腹になかなかのタフガイ。

 

映画「荒野の用心棒」で使用されていた銃の紹介

Colt Single Action Army - コルト・シングル・アクション・アーミー

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ウベルティ社製のレプリカ - Colt Single Action Army

イーストウッド扮する名無しの男が使用していた銃。コルトSAAは主に西部開拓時代に使われていたコルト社製の回転式拳銃です。上の画像は実際に映画で使用されていたものと同様の銃でイタリアのウベルティ社が製造したレプリカです。映画の中で使用されていた銃は1959年のテレビシリーズ「ローハイド」でも使われていたもので、銀色のガラガラヘビのレリーフを施した木製のグリップが特徴的です。

 

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©株式会社黒澤プロダクション/©1964 UNIDIS S.A.R.I

   S&W M29と並ぶクリント・イーストウッドの代名詞ともいえる拳銃です。

ウィンチェスター Model 1892

 

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Winchester 1892 Carbine

アメリカのウィンチェスター社が開発したレバーアクション式のライフル銃。映画では悪党の親玉でライフルの名手であるラモンが使用していました。

 

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©株式会社黒澤プロダクション/©1964 UNIDIS S.A.R.I

「名無しの男」に向けてライフルを構えるラモン。映画の中でも重要なシーンです。

 

映画「荒野の用心棒」のテーマ曲「さすらいの口笛」

数ある映画音楽の中でもこれほどまでに作品の雰囲気とマッチしている音楽は存在していないのでは無いかと思わせるエンニオ・モリコーネの名曲中の名曲。 

 

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まとめ

マカロニ・ウエスタンの原点とも言うべき本作。ストーリー展開やセリフなど黒澤明の「用心棒」を丸パクリしている映画ですが、そんな事は一切気にならないほどの圧倒的な魅力がこの映画にはあります。テーマ曲に乗せて始まる赤と黒が印象的なアニメーション風のオープニング、ポンチョに無精ひげといういで立ちで圧倒的な存在感を放つクリント・イーストウッド、そして映画史に残るラストの決闘シーン。個人的には元ネタである「用心棒」と比べても負けず劣らずの歴史的傑作だと思っております。現代社会ではほぼ絶滅危惧種である、汗と埃にまみれた漢の中の漢が見たい方には最高におすすめの映画です。